ホラー
獣たちの夜―BLOOD THE LAST VAMPIRE (角川ホラー文庫)

『こういうキャラ達を使った映画を観てみたい』
学生運動に熱中するという主人公の気持ちを全く理解できない自分だけど、内容には満足。
個人的には映像化が可能な小説であれば映像作品の方が音や絵があって良い(その多く、というよりほとんどが尺の短さもあり失敗してるというだけであって)と考えているのだけど、この作品は小説という利点を生かし、「これは小説でやるべきものだ」と思えた。
(小説版パトレイバーでは「やっぱり映画観てた方が面白いな」と思った記憶がある。未収録シーンは面白いんだけど)
派手さの欠片もない薀蓄や駆け引きの連続、でもそれらがみんな面白い(死体処理や倫理学に関してはちょっと長すぎる気もしたが、そう思ったらある程度は読み飛ばせばよい)
エンタメを求めるにはちょっと違う小説だけど、むしろ文章の堅くない純文学と思えば楽しめると思う。
押井小説の中では一番面白かった。
「小説で良かった」と書き続けたけど、後藤田一や主人公の取り巻きのようなキャラクター達は是非今の押井映画でも登場させて欲しいなと同時に思ったりも。一介の高校生達と渋い大人の非日常的空間はありがちといえばありがちだけど、押井氏だったら魅力的な演出をしてくれるんだろうなぁ、とか想像してしまう。
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