劇画DVD
機動戦士Zガンダム 13

『歴代ガンダムでは最高傑作のZ最終章です。』
映画版公開時、ある雑誌で富野監督が「スポンサーや局の上層部か
らの声を上の方が極力抑えてくださったおかげで、ストーリーやキ
ャラクターを変に商業的を配慮せず好きなように作らせてもらった」
と言われたように、子供が見るには難解な心理描写や背景になったた
め視聴率が芳しくなかったようです。そのかわり、これまでに放映さ
れたガンダムの中で間違いなくNO.1の作品となっています。不況を若
干脱してきた位の今の日本では、視聴率、グッズの売上目的も重要な
だけに、これだけ純粋、そして自由に作品を作らせてもらえることは
もう当分ないでしょう。
登場人物同士のせめぎあいや個々の衝突、戦争という混迷した状況下
での覇権争い、裏切り、騙しあい、そして死…。戦争がもたらすもの
のとその本質を、個々の人物やモビルスーツ同士の戦いを通して見事
に描き出しています。
エウーゴもティターンズもアクシズも連邦も、考えようによっては同
じ目的に向かって動いている。ひょっとしたらカミーユが言うように
わかり合えたかも知れない…でも、それができない、気づけない人間
の愚かさ…。そしてやるせなさ…。結果、戦争という行為を選択し、
守り育てるはずの命の大切さを忘れ、多くを犠牲にしてしまう…。
この巻だけでも多くの登場人物が消え、エウーゴのメインキャストで
最後まで生き残ったのはブライトとファアだけです…(シャアを除け
ば)。みんな死んでしまいます。それが戦争だから…。
放映当時、見た時にはなんともいえない後味の悪さやショックを感じ
ました。でも、それが当たり前の反応だと今では思います。平和ボケ
じゃないけど、それまでの「主人公がカッコよくて、可愛い女の子が
出てきて少し苦しむけど最後に正義は勝つ!」みたいなわかりやすい
勧善懲悪的な作品ではありえなかった“戦争とは殺し合いなんだ”と
いうことを、夕方の子供向けTVアニメで知らされたのですから…。
カツは、一年戦争という極限状態で幼少期を過ごしたことで、戦う事
に何の躊躇いもなく、敵を憎むことを当たり前とする未熟で直情的な
少年へと成長してしまっています。結果、それがもとで戦死してしま
います。もしホワイトベースに乗っていなければ…、戦争のあるこの
時代に生まれてこなければ、あるいはカツは…。エマだって、フォウ
だって、レコアだって…。みんな時代の波に翻弄され涙した戦争の犠
牲者です。そんな“刻の涙”をカミーユがその身に受け、最後の戦い
に挑む最終話は、本当に涙が出そうでした。
でも、ラストも決して笑顔では終わりません。主人公が精神崩壊した
事以上に、戦争が終わってみて結果何も残っちゃいないし、何も得て
いないんです。誰もが求めていた平和も…。残ったのは憎しみあった
MSの残骸と、虚無感…そして新たな憎しみの種…。
だってそれが“戦争”だからと言わんばかりに、人間の欲望も感情も
ありのままに出した作品…それがZガンダムです。こんなリアルな戦
争悲劇アニメは他にありません。
そんな物語の最終章。見た事のない方はぜひ見て欲しいと思います。
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